![]() | 償い 矢口敦子 文庫本, 幻冬舎, 2003/06 Amazon |
36歳の医師・日高は子供の病死と妻の自殺で絶望し、ホームレスになった。流れ着いた郊外の街で、社会的弱者を狙った連続殺人事件が起き、日高はある刑事の依頼で「探偵」となる。やがて彼は、かつて自分が命を救った15歳の少年が犯人ではないかと疑い始めるが……。絶望を抱えて生きる二人の魂が救われることはあるのか? 感動の長篇ミステリ。(カバーの紹介文より)当初はほとんど注目されなかったこの作品が、ここにきて急に再評価されるようになったとかで、なるほど近頃どこの書店に行っても、派手なPOPとともにこの青い表紙が目に留まる。当然ご存知の方も多いと思うが、佐吉もそんな「不思議な現象」に興味を覚え、はじめての著者なのにろくに立ち読みもせず、本書を買い求めたのだった。
しかしいきなり率直な感想を云ってしまえば、佐吉には、この作品のどこがそんなに良いのかさっぱりわからなかった。床に叩きつけたくなるような駄作というのではないが、これといって評価すべきところの見当たらない、ひどく凡庸な作品としか思えなかった。この小説がなぜそれほどまでに絶賛されているのか……。以下、今回はあくまで感想文として、佐吉の感じたことを思いつくままに綴ってみる。なお、以下には多少「ネタバレ」がある。先におことわりしておく。続きを読む





