2005年08月30日

銀河鉄道の夜−最終形・初期形 / ますむらひろし・宮澤賢治 [読書日記]

銀河鉄道の夜−最終形・初期形(ブルカニロ博士篇)銀河鉄道の夜−最終形・初期形(ブルカニロ博士篇)
ますむらひろし, 宮澤賢治

単行本, 偕成社, 2001/07

 子供たちの夏休みも大詰め。以前に、ウチのブログに「読書感想文」で検索してくるケースが多いという話をしたが、それにもいよいよ拍車が掛かってきた。中には、「読書感想文+丸写し」、「読書感想文+著作権フリー」、「読書感想文+パクリ」なんていう、あからさまなキーワードで検索してくる奴もいる。学校での成績は知らんが、少なくともネットでの検索に関しては、将来を嘱望される優秀なお子様たちである。

 「読書感想文+作品名」というケースも相変わらず多い。目立つのは『銀河鉄道の夜』と『老人と海』。もっともそれは、単に、ウチのブログにそれに触れたページがあるからというだけの話で、おそらくは『坊ちゃん』とか『走れメロス』とか『赤毛のアン』とかで検索している子たちも大勢いることだろう。あるいは『カラマーゾフの兄弟』で検索しているつわものもいるかもしれない。まあ、いないと思うけど。続きを読む
2005年08月23日

愛犬ボーイの生活と意見 / ピーター・メイル [読書日記]

愛犬ボーイの生活と意見愛犬ボーイの生活と意見
ピーター・メイル / Peter Mayle
池央耿

文庫本, 河出書房新社, 1997/03

 昨日、近所のブックオフで、すべて105円コーナーから、8冊本を買ってきた。その中から、今日読んでいるのは『愛犬ボーイの生活と意見』。著者のピーター・メイルは、1993年、エッセイ『南仏プロヴァンスの12か月』で一躍有名になったイギリスの作家。佐吉自身はこれを読んでいないが、そのタイトル、あるいは彼の名をご記憶の方も多いだろう。

 『愛犬ボーイの……』は、人間の営みや社会のありようを、彼の実在の愛犬ボーイの口を通じて語らせた、社会風刺の色合いの濃い小説……というより、小説の体をとった社会風刺。原題を『A Dog's Life』という。ちなみに、"dog's life" には、文字通り「犬の生活」という意味の他に、「惨めな生活」という意味があり、現在では、そこから転じて (悠々自適な) 「贅沢な生活」という意味にも使われるらしい。この本の内容と照らし合わせれば、単純なようでいてなかなか含蓄のあるタイトルだと云える。邦題は、他でもしばしば見られる、18世紀のイギリスの作家ローレンス・スターンの『トリストラム・シャンディ氏の生活と意見(The Life and Opinions of Tristram Shandy, Gentleman)』のもじりで、それはそれで味わいのあるタイトルなのだが、そこから上のようなニュアンスがやや窺いづらいのが惜しい。

 さて、かのベストセラーでさえ読んでいなかった佐吉が、この本を手に取ったのは、実は、書店でそれを見かけた際、以前mixiでとある友人が、これを読んでなぜか佐吉を連想したと云っていたのを思い出したからである。つまり、それは如何なる理由によるものなのか確かめてみようという自意識からなのである。嗚呼、佐吉の自意識、税込み105円也… (-_-;続きを読む
2005年08月18日

読書感想文? 読書感想文はここにはないよぉ [雑記帖]

僕が批評家になったわけ僕が批評家になったわけ
加藤典洋

単行本, 岩波書店, 2005/05/21

 アクセス解析を眺めていると、「読書感想文」あるいは「作品名 + 読書感想文」で検索してくるケースが目立つ。それも、このところ急激に増えている (サイドバーで『読書感想文トラックバック広場』というサイトにリンクが貼ってあるので、ウチのブログのすべてのページがこれに引っ掛かるのだ)。大方、夏休み中の中学生や高校生が、ネットで探した感想文を参考に、あるいはそれを丸写しして、宿題の読書感想文を体よく仕上げてしまおうという腹なのだろう。ったく、近頃のガキどもときたら…… (-_-メ

 と考えたところでふと思い至った。よくよく考えてみれば、佐吉自身、夏休みの宿題といえば、終わり間際になって大慌てで友人たち (特に真面目にやっていそうな女の子たち) に写させてもらうのが常だった。しかし、読書感想文ばかりは友達のを丸写しというわけにはいかない。さすがに同じ感想文が二つあれば、どんなに間抜けな教師だってそれと気付くだろう。だが、ネット上にある感想文のパクリなら、上手くやればバレないかもしれない。もちろん、当時、インターネットなどという便利な代物はなかったが、あればきっと佐吉も彼らと同じことをしていたに違いない。前言撤回。生徒諸君、夏休みの宿題、ご苦労さん。こんなサイトでも何かの役に立つことがあれば、大いに活用してくれ給へ。あっはっは……。続きを読む
2005年08月02日

山本先生の思い出 [雑記帖]

僕が批評家になったわけ僕が批評家になったわけ
加藤典洋

単行本, 岩波書店, 2005/05/21

 岩波書店の「ことばのために」というシリーズの一冊、加藤典洋の『僕が批評家になったわけ』を読んでいる。帯にある『批評とは、本を一冊も読んでいなくても、百冊読んだ相手とサシの勝負ができる、そういうゲームだ』というフレーズに惹かれ、この本を手にした。加藤典洋はこの発見を批評家としての自らの出発点としたと言い、批評とは何かと問い、対談、注記、手紙、日記など、我々の想像する批評とはおよそ程遠いと思われるものにも、批評を見出すことができると説く。

 まだ読みかけなので、この本自体についての詳しいコメントは控えるが、これを読み進めるうち、『山本義隆は「受験生」に鍛えられた』という項に出会った。ん?山本義隆?それって、ひょっとして……。続きを読む
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。