2005年11月10日

PAY DAY!!! / 山田詠美 [書評]

PAY DAY!!!PAY DAY!!!
山田詠美

文庫本, 新潮社, 2005/07

 山田詠美の作品はとてもわかりやすい。この作品は何を語っているのか、などと問うまでもなく、それが何であるのかを山田自身がすべて作品の中で語っている。変にかまえた云い方はせず、それでいて印象的な会話やフレーズがふんだんに散りばめられ、それらがじかに読者の心に響いてくる。読者はただ彼女の紡ぎ出す言葉に身を任せて読み進めれば良い。それだけで彼女が云おうとしていることはきちんと伝わってくる。山田詠美の作品は真摯で率直で、そして雄弁である。

 双子の兄妹ハーモニーとロビンは、両親と共にニューヨークに暮らしていた。しかし彼らが15歳のときに両親が離婚、兄ハーモニーは父親に付いて彼の故郷である南部の田舎に移り、妹ロビンは母親と一緒にニューヨークに残る。そしてその後、2001年9月11日の同時多発テロによって母親は行方不明となり、一人残されたロビンもやむなく父のもとに身を寄せることになる。続きを読む
2005年11月03日

ブックレビュー・コンテスト応募顛末 [雑記帖]

 ご存知の方も多いだろうが、エキサイト・ブックスブックレビュー・コンテストなるイベントが催されていて、先日その結果発表があった。このコンテストは、エキサイト・ブログのユーザーを対象としたもので、トラックバックで参加するというユニークな形をとっている。実は佐吉も、こことは別にエキサイトにブログを立ち上げ、スティーヴン・ミルハウザーの『エドウィン・マルハウス』の書評でこれに応募していた。

 いきなり結果から云うと、佐吉の書評は、フリースタイル部門・書評部門から各5作ずつの一次選考には残ったが、入賞はならなかった。見れば他の応募者の方の多くが自分の書評への評価についてコメントされているので、佐吉もここでそうしてみようと思う。以下に、審査委員の豊崎由美氏、仲俣暁生氏の選評から、佐吉の書いたレビューに言及されている部分を引用してみる。なお、文中(6'-5)と呼ばれているのが佐吉の書いたレビューである。まずは書評部門の選評から。続きを読む
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。