2006年04月18日

ダーク・タワーII 運命の三人〈上〉 / スティーヴン・キング [読書日記]

ダーク・タワーII 運命の三人〈上〉ダーク・タワーII 運命の三人〈上〉
スティーヴン・キング / Stephen King
風間賢二

文庫本, 新潮社, 2005/12

 そんなわけで、キングの『ダーク・タワーII 運命の三人』上巻を読み終える。やっぱすげえや、キングは!第I巻とはまるっきり別の小説みたいだ!

 黒衣の男との対決の後、一人荒野に残されたガンスリンガーは、砂浜に屹立する一枚の扉を見つける。扉を開くと、その向こうはなんと我々の住む現実世界。それもニューヨークへと向かう飛行機の中。ガンスリンガーは恐る恐るその「どこでもドア」を通り抜け、麻薬の運び屋の頭の中へ足を踏み入れる。そして、そこで繰り広げられるギャング映画さながらの大活劇……。

 しかし、そこで一つ疑問が湧く。キングはドラえもんの「どこでもドア」を知っていたのだろうか……? いや、おそらくキングは「ドラえもん」の存在さえ知らなかったに違いない。もし知っていれば、こんなにもよく似たギミックを臆面もなく使えるはずがないからだ(藤子不二雄もまた然り)。というか、そんなことはどうでもいい。とにかく、スティーヴン・キングと藤子不二雄、片やアメリカの大ベストセラー作家、片や日本の国民的マンガ家が、洋の東西を隔てて同じような道具を発明していたというのが、なんとも面白い。

 閑話休題。たった一枚のドアを登場させるだけで、いとも簡単にあちらの世界からこちらの世界へ。これ以上のものがあるだろうかと思えるほどの奇天烈な設定だ。しかし、その急激な展開に戸惑う暇もあらばこそ、キングはそこで、さらにアクセルを踏み込む。幸か不幸か彼のクルマに同乗した読者は、ストレートでは目の前に次々と現れる光景に目がくらみ、ワインディングでは強烈な横Gの連続に胃がでんぐり返りそうになる。しかしキングは、そんなことお構いなしに、フルスロットルのまま走り続ける。しかもその行き先は、我々には謎のまま。読者は(ときにゲロを吐いたりオシッコをちびったりしながら)ウィンドウ越しに展開する世界にただ目を見張っているしかない。

 サンドイッチやらコーラやらネオンサインやら、異世界の住人ローランドが目にするこちらの世界の描写もこれまた絶妙だ。シリアスなんだかギャグなんだか、もう訳がわからなくなってくる。が、話はあくまでシリアスだ。そして、とにかく面白い。読み始めると止まらなくなってしまう。

 普段は、繊細な情景描写がなんだとか、静かな余韻がどうしたとか、わかったようなわからないようことを書き散らしている佐吉だが、キングの作品について何をとやかく云う必要があるだろうか。とにかくキングは面白い。それで必要充分だ。

 ああ、今、手元にその下巻があって良かった。もしこれがなかったら、朝まで禁断症状に悶々としていたかもしれない。いや、深夜営業の書店へクルマを走らせていたかもしれない。さ、続きを読もうっと (^。^

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