2006年05月11日

気になる部分 / 岸本佐知子 [読書日記]

気になる部分気になる部分
岸本佐知子

単行本, 白水社, 2000/09

 連休が明けて三日。佐吉には実に十一連休のゴールデンウィークだったが、その間あまり本は読まなかった。連休前から読んでいた『ダーク・タワー』も、まだ第III巻の途中。外出も多かったし、後半は風邪で体調を崩していたし、何より一人でいる時間が少なかった。あらためて読書って孤独な楽しみなんだなあ、なんて思ったりもした。

 ニコルソン・ベイカーやジャネット・ウィンターソン、最近ではリディア・デイヴィス、ちょっと珍しいところではトム・ジョーンズなど、どこか風変わりな作家の作品の訳書が多い翻訳家、岸本佐知子。そんな彼女のエッセイ『気になる部分』が、近く白水uブックスで出るというので、その単行本を久々に引っ張り出して再読する。やっぱり面白い。どこから読んでも面白い。そして巧い。どこか落語の名人芸でも聞いているような面白さがある。

 ところどころチクッチクッと毒が効いているのもいい。変に良い子ぶらないところはかえって好感が持てるし、しかもそうした毒気が不思議と嫌味にならず、むしろそこのところに親近感を覚えたりもする。彼女の天性のキャラクターゆえだろうか。この抱腹絶倒のエッセイについては、後であらためてレビューを書こうと思う。

 それから最近買った本。いずれも新刊ではなく、以前から読もうと思っていた本。まずはコニー・ウィリスの『犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎』。大森望訳。そしてカズオ・イシグロの『わたしたちが孤児だったころ』。入江真佐子訳。それから国内の作品で、畠中恵の『しゃばけ』と『ぬしさまへ』。ちなみに畠中恵はいずれも文庫本。

 仕事では、今、とある契約書の和訳をしている。こういうのって一文一文が滅茶苦茶長くて、ホント、やんなっちゃう。英語って後からいくらでも付け足しできるから、いきおいこういう文になっちゃうのよね。特にこの手の文書はね。そんなのと一日向かい合っていると、まともな日本語がなんだか無性に恋しくなってくる、しがない翻訳屋佐吉なのでした。

犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎
コニー・ウィリス / Connie Willis
大森望

単行本, 早川書房, 2004/04/17
わたしたちが孤児だったころわたしたちが孤児だったころ
カズオ・イシグロ / Kazuo Ishiguro
入江真佐子

文庫本, 早川書房, 2006/03
しゃばけしゃばけ
畠中恵

文庫本, 新潮社, 2004/03
ぬしさまへぬしさまへ
畠中恵

文庫本, 新潮社, 2005/11/26

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