2005年11月03日

ブックレビュー・コンテスト応募顛末 [雑記帖]

 ご存知の方も多いだろうが、エキサイト・ブックスブックレビュー・コンテストなるイベントが催されていて、先日その結果発表があった。このコンテストは、エキサイト・ブログのユーザーを対象としたもので、トラックバックで参加するというユニークな形をとっている。実は佐吉も、こことは別にエキサイトにブログを立ち上げ、スティーヴン・ミルハウザーの『エドウィン・マルハウス』の書評でこれに応募していた。

 いきなり結果から云うと、佐吉の書評は、フリースタイル部門・書評部門から各5作ずつの一次選考には残ったが、入賞はならなかった。見れば他の応募者の方の多くが自分の書評への評価についてコメントされているので、佐吉もここでそうしてみようと思う。以下に、審査委員の豊崎由美氏、仲俣暁生氏の選評から、佐吉の書いたレビューに言及されている部分を引用してみる。なお、文中(6'-5)と呼ばれているのが佐吉の書いたレビューである。まずは書評部門の選評から。
仲俣 天才といえば、あの本を読んでると、ときどきふと、「エドウィンって本当に天才なのかなぁ?」って思うんだよね。その疑問についてちゃんと書いてる(6'-5)も面白かった。

豊崎 信用ならざる語り手問題ね。

仲俣 全体的に『エドウィン・マルハウス』の書評はレベルが高いと思いました。長くて書きにくい作品なのに、あえてトライしているだけのことはあるよ。
 次いで優秀賞・準優秀賞の選考から。
仲俣 (前略)書評部門の優秀賞は、やっぱり『エドウィン・マルハウス』から選びましょうか。うーむ、(6'-5)と(6'-3)で迷いますね。

豊崎 確かに(6'-5)は一番よくまとまってるんですよ。いわゆる端正な書評です。でも同じ端正な書評だったら、(6'-3)のほうが面白いとわたしは思う。(6'-3)は“子供は天才”というところだけにしぼって、散漫にならないように努力してるんですよ。これが書きなれてない人にはなかなかできない。この人は書けば書くほど上手になる気がする。

仲俣 「書くこと」に意識的な人の文章っていう感じがするね。そもそもこの作品自体が「書くこと」についての小説でもあるわけだし。俺も(6'-3)が優秀賞で賛成。(後略)
 仲俣氏の『(6'-5)も面白かった』というコメントに「えへへっ (^。^ ゞ」と思い、『(6'-5)と(6'-3)で迷いますね』というコメントに「おお! ひょっとしてこれは…… (◎。◎;」とにわかに期待が高まったところに、続く豊崎氏のコメントで、があああ〜〜ん、一転奈落の底へ……orz おそらくすべての参加者の中で最も落差の大きい落胆を味わったのが佐吉だと云っても過言ではあるまい。

 まあ、佐吉自身は一次選考さえ危ういだろうと予想していたので、ここまで残っただけでも充分満足のいく結果と云うべきかもしれない。だが一方で、ここまできただけにかえって悔しいという気持ちも否定できない。とは云え、両氏のコメントはもっともだと思う。あの書評の欠点には自分でもそれなりに気づいていた。豊崎氏もおっしゃっているように体よくまとめることはできたと思うが、決して面白味のある文章ではない。それ自体が読んで面白いという書評ではなかった。正直云って、あれが「優秀賞」として紹介されることがなくて良かったと思うところさえある。

 そもそも佐吉がこのイベントの存在を知ったのは、mixiの「読書サイト持ってます。」コミュニティのトピックによってだった。のぞいてみると、最近の話題作に加えて『エドウィン・マルハウス』が課題書籍に挙げられているのが目に留まった。たまたま『エドウィン・マルハウス』は当時佐吉にとって積ん読中の本だった。なので、これを機にそれを読んでみよう、そして面白かったらコンテストにも応募してみよう、と思ったのだった。

 応募することは早々に決めた。だが、応募は締め切りぎりぎりになってしまった。ミルハウザーは、目に映るもの、印象に残ったもののことごとくを精細に描写せずにはおかない作家で、『エドウィン・マルハウス』もご多分に漏れず、そんな調子で少年の11年の生涯を綴っている。なので、一気に読み通すのを許さないところがある。結局読むのに1週間以上かかってしまった。しかも、佐吉はこれを続けて2度読んだのである。

 ちょこちょことメモ書きは残していたが、実際にレビューを書き始めたのは、締め切り前日の夜だった。いや、始めようと思えばもう少し早く始められたはずなのだが、子供の夏休みの宿題よろしく、締め切り間際になるまで手をつけることができなかったのだ。こういう性格はいくつになっても変わらないものらしい。

 そうしてなんとかレビューを書き上げた。厄介なのは800字から1200字という字数制限だった。最初は2000字以上あった下書きを、ひぃひぃ云いながら1200字ちょうどまで詰め、辛うじて体裁だけ整え、急いで応募した。ろくに推敲もできなかったのが悔やまれたが、今にして思えば、それは云い訳でしかないだろう。仮にもっと時間をかけたところで、細かな構成や云い回しが多少気の利いたものになるくらいで、大筋は変わらなかっただろうと思うからだ。

 ともあれ、結果はご覧のとおり。佐吉としては、うれしい気持ち半分、悔しい気持ち半分。だが、これによって得るところも大きかったと思う。自己紹介にもあるとおり、佐吉は文学について何かを学んだこともなく、読書経験が豊富というわけでもない。だから、ずっと書評の書き方など何もわからぬまま、こんなんでいいのかなあ? と思いながら書評(のようなもの)を書いてきた。それゆえ、こうして他の方に、それもプロの書評家に評価していただく機会が持てたことがうれしい。佐吉にとって、それがこのコンテストの最大の収穫だった。この経験を活かして、今後少しでもましな書評が書けるよう努力しようと思う……と記して、この長い長い負け惜しみを閉じることにしよう。審査委員のお二方、どうもありがとうございました。

 ところで、このコンテストって一次選考に残っても何も賞品ないのね。抽選でもらえるプレゼントでさえ、どれにも当選してなかったよ。んが〜 w(T-T)w

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