2008年01月26日

ことばの波止場 / 和田誠 [読書日記]

ことばの波止場ことばの波止場
和田誠
単行本, 白水社, 2006/11

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 星新一や丸谷才一の一連の著作、最近では三谷幸喜のエッセイなど、本の装丁でもお馴染みのイラストレーター和田誠が、イラストならぬ「ことば」について語った一冊、『ことばの波止場』を読む。児童書に関するセミナーで、和田がはじめて行った、ことば遊びについての講演に加筆したものである。和田自身の「個人史」に乗せて、しりとり歌、替え歌、回文、アナグラムなど、さまざまなことば遊びの楽しさを、豊富な具体例とともに紹介している。

 その一例をここにも紹介しよう。「いろは」についてのエピソードである。

 「いろは」は、ご存知のとおり、仮名四十七文字をすべて一度ずつ使って作られた手習い歌である。かつては弘法大師の作という説もあったが、今は平安中期に成った詠み人知らずの歌とされている。続きを読む


2007年07月02日

あやしい本棚 / 中野翠 [読書日記]

あやしい本棚あやしい本棚
中野翠
単行本, 文藝春秋, 2001/04

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 中野翠の『あやしい本棚』(2001)を読む。先日Yahoo!オークションで、「本棚セット」と称して、川本武の『本棚が見たい!1〜3』(1996〜1998)、唐沢俊一の『カルトな本棚』(1997)と抱き合わせで出品されていたのを落札したものである。

 ちなみに『本棚が見たい!』と『カルトな本棚』は、それぞれタイトルのとおり、さまざまな知識人やカルトな人々の本棚を取材し、あわせて各人の読書論を紹介したものだが、『あやしい本棚』はそうした「本棚拝見本」ではなく、さまざまな雑誌や新聞に掲載された中野の書評集である。

 中野翠については、佐吉は名前こそ知っていたが、その著作を読んだことはなかった。もちろん今回の落札に関しても、中野の本が目当てというわけではなかった。が、それは思いがけず、他の4冊以上にめっけものだった。続きを読む


2007年05月19日

死ぬための教養 / 嵐山光三郎 [読書日記]

死ぬための教養死ぬための教養
嵐山光三郎
新書, 新潮社, 2003/04/10

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 「はじめに」で嵐山はこう語る。
 宗教を信じられない人間には、ただ「死ぬための教養」だけが必要となります。いざとなったら、死に対する教養のみが、自己の死を受け入れる処方箋となるのです。死は、思わぬときに、ふいに襲ってきます。それは恐怖であるとともに最後の「愉しみ」ですらあるのです。宗教を信じなくとも、平穏に死を受け入れるためには、どんな知恵をつければいいのか。この本は読者にむけての処方箋であると同時に、私自身へむけての覚悟でもあるのです。
 また「あとがき」にはこう書かれている。
 「死ぬための教養」は、百人いれば百通りが必要であって、それは各自ひとりひとりが身につけていくしかない。幸い、先人たちには、死についての深い考察をなした人がいて、そういった識者の本を吟味熟読して読み、自分なりに納得するしかないのだ。
 これらの文句とタイトルに惹かれ、本書を読んでみた。が、期待はずれだった。続きを読む


2006年05月11日

気になる部分 / 岸本佐知子 [読書日記]

気になる部分気になる部分
岸本佐知子
単行本, 白水社, 2000/09

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 連休が明けて三日。佐吉には実に十一連休のゴールデンウィークだったが、その間あまり本は読まなかった。連休前から読んでいた『ダーク・タワー』も、まだ第III巻の途中。外出も多かったし、後半は風邪で体調を崩していたし、何より一人でいる時間が少なかった。あらためて読書って孤独な楽しみなんだなあ、なんて思ったりもした。

 ニコルソン・ベイカーやジャネット・ウィンターソン、最近ではリディア・デイヴィス、ちょっと珍しいところではトム・ジョーンズなど、どこか風変わりな作家の作品の訳書が多い翻訳家、岸本佐知子。そんな彼女のエッセイ『気になる部分』が、近く白水uブックスで出るというので、その単行本を久々に引っ張り出して再読する。やっぱり面白い。どこから読んでも面白い。そして巧い。どこか落語の名人芸でも聞いているような面白さがある。続きを読む


2006年04月26日

特盛! SF翻訳講座 翻訳のウラ技、業界のウラ話 / 大森望 [読書日記]

特盛! SF翻訳講座 翻訳のウラ技、業界のウラ話特盛! SF翻訳講座 翻訳のウラ技、業界のウラ話
大森望
単行本, 研究社, 2006/03/12

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 え〜と、先日買った本。翻訳絡みで二冊。

 まずはご存知柴田元幸の『翻訳教室』。帯には「東大文学部翻訳演習完全収録」とある。けっ、なんでいなんでい、偉そうにしやがって! 東大ったって所詮は二十歳かそこいらのガキどものやってることじゃねえか。この佐吉様についていけねえわけがねえやィっ……などと強がってはみるものの、内心やはりビビっている佐吉。この馬鹿な頭で難しい文学のお話についていけるかしらん。

 そしてもう一冊。実はこっちを先に読み始めたのだが、SF翻訳者で豊崎由美との共著『文学賞メッタ斬り!』などでも知られる大森望の『特盛!SF翻訳講座 翻訳のウラ技、業界のウラ話』。こっちは打って変わってかなりくだけた内容のエッセイ。結構面白い。で、今日はこっちの話。続きを読む



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