![]() | 藤沢周平のツボ 至福の読書案内 朝日新聞週刊百科編集部編 文庫本, 朝日新聞社, 2007/12 Amazon |
NHK BS に「わたしの藤沢周平」という番組がある。毎回ひとつの藤沢作品を取り上げ、その作品世界を紹介するとともに、各界から招かれた一人のゲストが、その作品への思い入れを熱く語るというものである。佐吉も何度か見たことがある。
しかし考えてみれば、こんな番組が成り立つ作家はそうはいない。むろん一般にも各界の著名人にも、多くの愛読者がいる作家でなければならないことは云うまでもないが、だからと云って、人気作家なら誰でもいいというわけではない。いくら多くの読者に愛されている作家でも、皆が異口同音に賞賛するだけなら、毎回同じような話になってしまい、番組が続かない。
そうしてみると、藤沢周平という人物は、多くの人々の心の琴線に触れ、なおかつそのそれぞれに、違った音色を響かせる作家だと云うことはできないだろうか。「わたしの藤沢周平」と番組のタイトルにもあるとおり、藤沢作品の読者は、それをひとつの個人的体験と捉えることによって、つまりそこに自分自身の人生を重ね合わせることによって、一人ひとりが違った感銘を受けるのかもしれない。そしてそれゆえに、今なお多くの読者が藤沢作品に惹かれるのかもしれない。続きを読む







